2013年度

[2013年度]65周年記念講演会・レセプション

[2013年度] 65周年記念講演会・レセプション

札幌ユネスコ協会設立65周年 希望と平和の明日へ
~ユネスコの原点を見つめて~記念講演会及びレセプション

日 時2013年8月31日(土)
場 所京王プラザホテル札幌
参加者会員、非会員あわせて202名

1948年(昭和23年)8月8日、札幌ユネスコ協会が誕生しました。65周年の節目の年となる、8月31日、京王プラザホテル札幌を会場に、記念講演会及びレセプションを行いました。
藤間蘭翔さんによる華やかな祝舞「七福神」で開幕。横山会長の挨拶に続き、長野県上田市にある、戦没画学生慰霊美術館館主、窪島誠一郎氏による講演が行われました。
窪島氏は無言館建設に至った経緯、作品に込められている画学生たちの思い、ご自身の体験を通しての平和への思いなどを静かに語り、150人あまりの参加者は熱心に耳を傾けていました。
レセプションは第39回コーアクションパーティーも兼ねて行われ、真貝裕司さんのカスタネット演奏や豪華景品抽選会で多いに盛り上がりました。

2013年度 会報 No.39

記念講演 「信州の二つの美術館から 絵のこと 生きること」 を拝聴して
窪島氏は、昭和54年に夭折画家のデッサンを蒐めた「信濃デッサン館」、平成9年には戦没画学生の遺作のための「無言館」を自ら設立し、館主をされている。
この二つの美術館は、他の美術館とは圧倒的にその存在の意味が異なるのだが、講演では、設立に至る窪島氏の深い思いと、絵を遺した画家とその絵に対峙する人々への慈しみがうかがえた。
特に戦没画学生慰霊美術館「無言館」について、「戦争という時代に散った無名の若き画家の生きた証しを語り継いでいかなければ」とする氏の思い、魂をいとおしむ思いと平和への願いに強く感銘をうけた。
民間ユネスコは、第二次世界大戦後の疲弊した日本の、平和への強い願いから、1947年に当時占領下の日本の仙台で起こった。
そして早くも翌1948年8月に札幌ユネスコが発足し、65年。
ユネスコは、やはり平和への願いが全ての活動の源泉である。
無言館の中の無名の若き画家が遺した一枚の絵が、いまを生きる私たちに言葉なく語りかけてくるものは、やはり平和への希い。
そして、時代を超え、国を越え、「他に思いを馳せること」が私のユネスコ活動の原点であることを、窪島氏は改めて思い出させてくれた。
(中村 康江)