2010年度

[2010年度] 第39回ユネスコスクール植林活動

[2010年度] 第39回 ユネスコスクール植林活動

日 時2010年5月22日(土)
場 所当別町「道民の森」
参加者39名
2010年度 会報 No.36

植林活動を通して得られるもの
私は残念ながら参加できず、その代わり、植林に関する資料を提供させていただきました。目的地まで1時間余りの車内で、ユネスコ協会の中村康江様が私の資料を用いてレクチャーをしてくださいました。
私はこの資料を作成するにあたって、日本の森林の現状を理解していただけるよう心がけをしました。
特に、子どもたちは木を伐るのは悪いことだと考えがちです。しかし、日本の人工林は間伐を行い、人の手で管理していかなければ衰えてしまいます。木を植え、育て、伐採し、そして、また植えるというサイクルを回してこそ持続的な森林利用につながることを資料を通して伝えました。
この植林活動の意義は、単に森林を増やすことではないと、私は考えます。
森林は私たちが生きる上で必要な酸素や木材など、さまざまなものを提供してくれます。しかし、それらは私たちにとって存在して当たり前のものであり、その恩恵に気付く機会はなかなかありません。
現代社会は、掛けがえのないサービスを提供してくれる自然をタダ同然に扱い、物やお金にばかり価値を見い出しているように思えます。
この植林活動では一本一本の木々と向き合うことで、本来大切にすべき自然の恵みやありがたみに気付くことができます。また、植林活動で植えた木が育つには何十年もの年月が必要です。人間はつい目先の物事に目を奪われがちですが、次世代のことを考えて行動することが今日の環境問題の解決に向けて必要不可欠です。
 植林活動は何十年先のことに対して思いをはせる機会を子どもたちに提供してくれるのです。今後も札幌ユネスコスクールの植林活動によって、参加者の皆様は、より深い学びを得られることでしょう。
(北海道大学農学部森林科学科4年 松尾ひかる)